牡蛎
基 原 :神農本草経の上品に収載。カキ科 Ostreidae 牡蛎 Ostrea gigas Thunb. (カキ)    の貝殻。

性 味味は鹹・渋、性は微寒。(帰経:肝・胆・腎経)
主成分 :炭酸カルシウム(8095%)・リン酸カルシウム・硫酸カルシウム・有機成分酸    化アルミニウムなど
薬理作用 鎮静安神・平肝潜陽(陰虚より発症した肝陽抗進)・収斂固渋・軟堅散結・制     酸止痛鎮静・解熱作用、腫塊消散・減少作用(軟堅)
臨床応用肺結核の高熱、遺精、盗汗、子宮出血、帯下、リンパ結核など。

  1. 盗汗・自汗に有効である。牡蛎1215gを煎じ23回に分けて服用する。
  2. 頸部リンパ腺炎・甲状腺腫・肝臓や脾臓の腫大などに効果があります。
  3. 高血圧症などで見られる胸が苦しい・怒りっぽい・頭がふらふら・顔面紅潮頭部の熱感・不眠・動悸などの肝陽抗進の症状に用いる。胸腹部の動悸・筋肉の繊維束性攣縮にも牡蛎を使用する。
  4. 夢精・不正性器出血・帯下などに用いる。
  5. 虚熱に用いる。陰虚の潮熱・発熱疾患後の微熱などで体の衰弱や多汗を伴うときには、生牡蛎を用いる。生牡蛎には水分を保持し・大便を整え・虚熱を冷ます効果があります。
  6. 胃・十二指腸潰瘍で心窩部痛・胃酸過多などの症状があるときに用いる。含有する炭酸カルシウムに胃酸を中和する作用がある。

用 量湯剤には1530g。頸部リンパ腺炎には90120gまで用いる。先に煎じる。
粉剤は毎回
36gを沖服する。
使用上の注意

  1. 生で用いると鎮静・軟堅・解熱の力が強く、焼いて用いると渋で燥性をおびるので収斂、固渋かたむしぶ(止血作用)の効能が強くなる。
  2. 牡蛎と竜骨の比較:牡蛎には軟堅散結の効能もあるが、竜骨にはない。竜骨は牡蛎より精神安定の作用が強い。両者とも動悸を止めるが、牡蛎は胸腹の動悸に、竜骨は臍下の動悸に有効である。このように竜骨には特徴があるので、牡蛎では竜骨の代用にはならないこともある。竜骨と牡蛎を一緒に使用すると、潜陽の効能が強まる。
  3. 炎症があり、高熱・脈が実・無汗のときには用いない。
  4. 大量服用すると胃腸を障害して便秘・消化不良を引き起こしやすいので、健脾薬を配合する方がよい。